発売日 | 2020/9/25 | メーカー | きゃべつそふと |
ライター | 冬茜トム | 原画 | 梱枝りこ |
想定プレイ時間 | 25時間 | クリア状況 | コンプ |
シナリオ | テキスト | グラフィック | 音楽 | キャラ | システム |
---|---|---|---|---|---|
9 | 9 | 6 | 9 | 9 | 6 |
レビュー
令和に花咲く一房の回天
2020年から1920年の大正時代にタイムスリップした主人公が、
大正の名探偵「所長」と出会い、現代に戻るために奮闘するお話
テキスト……というよりライターさんが小説家の筆量で書いているので、
大正時代の背景・雰囲気などに違和感なく入っていけるのが魅力
(本作ですっかりファンになりました)
ネタバレ厳禁、何も見ず考えず、すぐにプレイすべき作品
原作版とコンシューマー版があり、コンシューマー版には追加シナリオがある
その追加シナリオは原作版プレイ後には必ずプレイしたくなる仕様
が、原作版をプレイしなくていいかというと、そうではなく、
キャラクターの掘り下げにおいて一躍買う性癖の強烈さがあるため、
どちらもプレイすることをオススメする
シナリオは巧妙に作成されており、最終ルートの怒涛の展開は必見
全て1本道になっているが、最後をキレイにまとめるために適切なルート設計になっている
周回プレイが苦にならないように配慮されており、
既読情報をスキップする手間は一切ない
グラフィックがテキストに追いついていないのが惜しく、
1枚絵が無いキャラの扱いや、それしかなかったんか~いなキャラがいる
口パクもしないので総じて手抜きに感じられる
モブキャラの立ち絵もなく、描かれているキャラも少なめ
随所に見られる必要な小道具が描かれているのは救い
キャラクター性は所長が抜きんでており、
年上で上司なのに姉属性が無く、常に不遜な態度なのに愛らしく、金に目がない。
が、恋愛への導入が少し足りなく、もう少し前座を伸ばしてほしかった。
というより、所長は手の届かない崇高なる存在であって欲しかった
他ヒロインはドMとドSが取り揃えており、
エッチなシーンが際立っていた
メリッサは全体のシナリオに流された感があり、恋愛模様も希薄であったが、、
”引き”が良く、最終ルートへの起点になっていた
サブキャラは全員どこかでユーザーからの好感度が下がるシーンが入る。
逆に最初に悪党として登場した成金が巻き返すという不良が良い事するとギャップで良い人に見える説
主人公の大正時代への溶け込み具合が非常に早く、展開もスピーディー
最終ルートに近づくにつれ、現代へのしがらみや、現代へ戻る意欲というのが少なく、
主人公の中の柱となる意思が弱い気がしていたが、全て伏線であった……脱帽
総プレイ時間は20時間を超えると思われるため、かなりガッツリプレイすることになる
とにかく最後ルートの伏線回収が全てなので、途中で辞めるのは厳禁
その点ではヒロインが全員魅力的に仕上がっているので最初から好感触
圧倒的読了感を得られる傑作
全てクリアした後にもう一度プレイすると主人公の言動に意外な発見があったりするのも面白い