発売日 | 2021/10/29 | メーカー | HARUKAZE |
ライター | はと | 原画 | cake |
想定プレイ時間 | 8時間 | クリア状況 | コンプ |
シナリオ | テキスト | グラフィック | 音楽 | キャラ | システム |
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4 | 10 | 8 | 9 | 10 | 9 |
レビュー
グランドルートに納得できるかどうか
ノラネコハートでお馴染みのHARUKAZEが送るMonkeys!¡
男子校の喧嘩番長が、お嬢様女学校に女装して潜入し、共学を目指すお話
主人公フルボイス。
主人公の中の人は明日原ユウキの中の人。
直近だとダイの大冒険のダイが分かりやすい。
ノラネコハート同様、ほぼ台詞のみで進行
女装は出来ても声でバレる設定なので、主人公は女装中は心の声のみが聞こえる
はとワールド全開で、台詞の応酬のテンポが良く、声優さんへの指導も完璧で絶叫の真髄を聞ける。
特に硝子(ガラス)の中の人は稀有なソプラノ超声量。
相変わらずギャグ路線に振り切っているものの、友人たちが学外にいるためマンツーマンの会話になりがち
(主人公は会話ができないので心の声で反論するだけ)
グラフィックに関して、漫画のコマ割りを使用してアクションシーンを表現
書き下ろしが非常に多く好感が持てた
4人のキャラの内、カラスはグランドルートになるため、3+1のルートがある。
ユキと硝子(ガラス)ルートはラブコメ力が高く楽しめたが、
メバチルートは田舎の喧嘩大将の話に世界大戦を突っ込んだテイストで全く付いていけなかった。
さらに個別では時系列がハチャメチャになっており、すんなりとシナリオが頭に入ってこない。
そして、大問題として、
カラスルートがどうしてこうなった感がある。
「家族」をテーマにしているのは従来通りなので問題はないが、異次元展開や謎の幻想世界で話しが進んだりと感情移入が難しい。
そして、神兄さま(神のみぞ知るセカイより)の至言である「ヒロインの問題を解決して仲良くなる」という定番を覆し、
カラス側の問題を解決しないまま話が進んでしまう。
主人公に焦点をあてすぎており、非常に惜しく感じた。
萌えゲーアワードのイノベーション賞からも分かるように、評価点が漫画コマ割り表現の部分に集約されており、ノラネコハートのような年度代表作品たる万能感を感じる事がなかった。
レーベル作品としてはクオリティは順当に進化しており、キャラの会話だけを抽出すれば非常に面白い作品。
シナリオの全体像や時系列、グランドルートの非納得感にテコ入れが欲しい所である