映画スーパーマリオブラザースはゲーマーを満足させられたか?【THE SUPER MARIO BROS.MOVIE 感想評価】

目次

映画スーパーマリオブラザーズとは

売り上げの記録は世界一ぃぃぃぃぃ

全米公開で記録を叩き出し、世界10億ドルの空前絶後の大ヒットを飛ばし、
2023年4月28日(金)ついに日本上陸
日本では興行収入20億超え

製作は「怪盗グルーのミニオン大脱走」で有名なイルミネーション&任天堂
脚本は任天堂で、日本の吹き替え声優は最初から作品の中核として組まれており専用のエンディングが流れる

声優陣

マリオ:宮野守
ルイージ:畠中祐
ピーチ姫:志田有彩
クッパ:三宅健太
キノピオ:関智一

なお、今回は吹き替え日本語版を視聴した

各キャラクターから見る映画の感想

マリオ

彼はニューヨークのブルックリンに住む売れない配管工
映画スタート時点で会社に従属していたが独立、全財産をはたいて弟のルイージとCMを作成

両親や祖父母家族と同居しており、母親以外からは見放されている
部屋内ではFC版パルテナの鏡をプレイしていた

度胸があり、そこそこの運動能力をもつ。弟のルイージに対する兄弟愛が強い

で、彼は 「異世界」に土管で召喚される

その世界はスーパーマリオワールドのようにワールドが区切られており、
最初に降り立ったのはピーチ姫とキノピオたちの住むキノコ王国

原作のある映画のキャラクターには、原作への思い入れがあるため、解釈違いが発生してるかどうかが問題です
(私の場合のマリオ像は、漫画でやってたスーパーマリオ君なのだが)

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とはいえ、彼のゲーム内での活躍を見るに、アクションに強く、ピーチ姫を救おうとする正義感があり、
何度やられても立ち上がる不屈の精神を持ち、マリオ64からはイタリア語で絶叫する明るい性格……と思っている

映画版では、彼はヒーローではない
弟を助けたいと思う一人の兄として描かれる

ゲーム内で見せるようなアクロバティックなプレイはできず、
ピーチ城でピーチ姫に特訓を受け、
スーパーキノコを使ってドーピングをしてようやっとステージクリアの動きができるようになる

で、終わってみれば、全シーンにおいて、彼は「アイテム」を使ってドーピングして活躍していた
もちろん映画を見ている間はそこまで気になる事ではないし、
「マリオ」の逆転劇の演出やアクションシーンは必見であり、盛り上がりはした
でも、どうにも腑に落ちない

その答えは多分、昨今日本で流行りの「異世界転生なろう」のテイストであったがためであろう
作成陣はそんなことは一切考えてはいないだろうし、受取り手の問題だ。
シナリオの展開は実によくある王道パターンで、
落ちぶれ→転機→起死回生→ハッピーエンド
パックマンをモチーフにした「ピクセル」のような印象であり、本当に普遍的な内容だった

ピーチ姫の欄で記載するが、彼はクッパと正面切って対等に戦える人物ではなく、そんな力もない
策を練り搦手で倒す手段も持ち合わせていなかった
ドンキーコングとの戦いもそうだ
事前の準備や勝機、勝つための布石がない、映画の尺的にも足りてない

マリオは異世界の旅の中で何を手に入れたのか
「ゲーム」で世界をめぐり、困っている人を助け、「ラストバトル」で起死回生のアイテムを渡される……
そんな展開はなく、彼を最後まで信じたのはルイージだけだった

映画の脚本における「マリオ」は、アメリカ映画のテンプレートな落ちぶれ成り上がりキャラクターであったと感じる
「異世界召喚」されるまでは【実にマリオだ】と思わせてくれたが、
異世界ではごく普通の一般人だったマリオは、どうにもマリオらしさが感じられなかった

ルイージ

ルイージの出番は思ったより少ない
兄に付きそう相方役で、配管工として独立したマリオに付いて兄弟で独立
家族はマリオに「弟を巻き込むな」と言っており、家族との仲は悪くない模様

冒頭でマリオと別れることになり、クッパ城に幽閉
マリオはルイージを助けるために旅をする

かっとビングの「あばばばばわわわわ」が上手すぎて草

携帯の着信音がゲームキューブ起動音だったり、ダークワールドではルイージマンション風味だったり、
ルイージらしさはよく表現されていた

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が、ラストバトルシーンは、マリオの努力を無にしてしまっていた
あのご都合主義は「マリオ」を描きたかったか、「マリオ&ルイージ」を描きたかったかの分かれ目であり、
この映画はマリオ「ブラザーズ」であるため、ルイージの活躍は必須であったのだろう

特に解釈違いはない

ピーチ姫

キノコ王国を統べる姫

幼少期にキノコ王国に召喚され、召喚前の記憶がない
キノピオたちに育てられ、キノピオたちに戴冠してもらい姫となる
なお、召喚先の世界にはマリオが来るまでは人間族はピーチ姫しかいなかった

ピーチ姫の解釈が一番の問題である
全てのマリオシリーズをプレイするガチガチのマリオタならまだしも、
ごく一般に知られているピーチ姫像は、「クッパに攫われてマリオに救われるキスをする」キャラ

しかし、映画マリオブラザーズのピーチ姫は、
スーパープリンセスピーチに登場するピーチ姫である

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ファイヤーフラワーとアイスフラワーを使いこなし、
ワールドステージをクリアできるだけのアクロバティック能力を持ち、
クッパや各ステージボスをも打倒する、圧倒的ヒーロー性能を有している

はっきり言って、強すぎる

クッパ城でのバトルシーンは全てピーチ姫によるもので、
圧巻の無双シーンを見ることできる
マリオに救われるシーンは一切ないのだ

ラブシーンも一切ない
どちらかと言うと40代~50代向けのネタが散りばめられた大人向けの内容なのに、
マリオとピーチ姫との関係性は婉曲的にしか描かれない

あと等身的に顔がデカすぎるのだが……1時間経つと慣れてくるから不思議だ

クッパ

ダークワールドを統べる亀の王
イカレた最強最悪の生物として紹介される

スーパーマリオワールドシリーズなどに登場する息子・娘たちは登場せず、
後年に登場したカメックが参謀を担当
それ以外は基本的にノコノコとクリボーを兵隊として起用

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ピーチ姫に恋心を抱き、スーパースターを手に入れ結婚を申し込む

彼は映画内で最もイカしたキャラクターであり、
愛嬌もあり、ギャップもあり、繊細で芸術性にあふれ、ぶれない愛すべきキャラクターだった

特に、ピーチピーチピーチピチピーチ♪のシーンは爆笑必死
三宅さんの圧倒的歌唱賞力に脱帽した

特に解釈違いはなく、憎めないキャラクターとして描かれる
正々堂々正面から先陣を切って戦い、プロポーズすらしてのける
王として貫禄も持ち合わせる

ゲームシリーズでは8割敵で、2割味方なクッパであるが、
キチンと悪役をこなしてみせた

素晴らしいキャラクターとして仕上がっており、
少し斜め上の造形を得意とするイルミネーションに合っていたキャラである

キノピオ

スネ夫

他のキノピオは自らを「可愛い生物」と称し、戦うことを嫌うが、
スネ夫だけは「可愛いが飽きた生物」で、勇敢さを持ち合わせる

正直、何故? という印象であった
等身も普通のキノピオより少し高く、何気に気持ち悪い

イマイチ掘り下げが足りなかったように思う

総評

全体で見たら、ゲーマーであれば、散りばめられた小ネタを探すのを必死になってしまうし、
批評家や評論家ならシナリオの構成について言及してしまうし、
純粋なアクション映画として見ると「マリオ」を見る以外はテンプレートになる

が、これらは終わった後の、冷静な論であり、

ぶっちゃけ泣いた

別にゲームの小ネタ挿入の素晴らしさに泣いたとかではなく、
私がこのテンプレートな演出に弱かったから泣いた

マリオは弱くて、勇敢で、ごく普通の、弟を守りたいと思う兄だった

その1点において泣けたのは、キチンと映画のマリオに感情移入が出来たからであろう

ゲーマーとしてこの映画を見てよかったかと言われると、ノーなのだが、
娯楽映画として見てよかったかと言われると、イエスなのだ

ゲームはゲームでやればよい
ゲームのネタが映画に散りばめられ、そのパーツが映画のエッセンスとなって、ゲーマーの感情を揺さぶった
そういった作品であった

多少の解釈違いは微々たるもので、概ね満足の行く「マリオの延長」であった

特に声優陣の熱演は素晴らしく、すごく「マリオ」であったと言える

マンマミーア

これだけ売れたので、次回作はヨッシーアイランドで決定だね!!!

おまけ

ルマリーことブルーチコ

スーパーマリオギャラクシー(Wii)に登場した青いチコ

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この映画では絶望を体現する。
シニカルな台詞を真顔で放つ狂気の星として登場
名をルマリーと言い、チコの1人である

クッパ城にルイージと同様に幽閉されており、
「死こそ自由への解放だよ」と言った台詞を可愛いトーンで話しかけてきて、精神汚染をしてくる

死ぬ間際にはこれでやっと自由になれるといった台詞を言い、死ねなかった時は逆に絶望している

クッパより遥かに頭ぶっとんでおり、概ね明るい作風に影を落とすメタキャラクター

エンディングでも作品外からの目線で作品を批評し、映画を占める大役を担う

なんだろう……任天堂とイルミネーションの中の人は生きることに疲れてしまったのだろうか?

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