【Fate/サムレム】クリア後レビュー 骨太ARPGでクリアまで60時間 Fateの名を冠するナンバリング無双ゲームとして完成 でもFGOのイベントのノリ【サムライレムナント評価感想】

目次

Fate/Samurai Remnantとは

2023年9月28日に発売した、Fateの新作CSタイトルであり、
新シリーズのCSタイトルとしては、PSP版のフェイト/エクストラから13年ぶりの新作である

created by Rinker
コーエーテクモゲームス
¥6,395 (2024/12/11 10:47:03時点 Amazon調べ-詳細)

コーエーテクモのωフォースが開発しており、
無双シリーズを手掛けている手堅い開発チームである

ドラクエ無双(ドラゴンクエストヒーローズ)
ペルソナ5無双(ペルソナ5 スクランブル ザ ファントム ストライカーズ)
ファイアーエムブレム無双などを開発しているチームで、
特にP5Sでは、P5の世界観を100%以上に表現した演出で原作ファンを魅了した

created by Rinker
スクウェア・エニックス
¥9,980 (2024/12/11 10:47:09時点 Amazon調べ-詳細)
created by Rinker
アトラス
¥3,980 (2024/12/11 10:47:10時点 Amazon調べ-詳細)
created by Rinker
コーエーテクモゲームス
¥3,794 (2024/12/11 10:47:05時点 Amazon調べ-詳細)

実はFateのゲームシリーズタイトルは少ない

Fateの関連作品は書籍からアニメ、ゲームと多種多様であるが、
CSゲームで出ているシリーズは、なんとサムライレムナント含んで3本のみ

Fate/stay nightもシリーズとしては原作18禁エロゲー版はCSではないし、Fate/hollow ataraxiaもエロゲーである

FGOはソシャゲであるし、CSゲームの最新作はFate/EXTELLA(エクステラ)というエクストラの延長線上のゲームだ

created by Rinker
マーベラス
¥4,980 (2024/12/11 10:47:11時点 Amazon調べ-詳細)
created by Rinker
マーベラス
¥2,700 (2024/12/11 10:47:07時点 Amazon調べ-詳細)

そう考えると、エクストラとサムレムしかCSゲーはないので、かなり貴重なタイトルと言える

  • Fate/stay night シリーズ
  • Fate/エクストラ シリーズ
  • Fate/Grand Order
  • Fate/Samurai Remnant

プレイ時間60時間を超えるA・RPGだった件

発売前のプレ氏

当方事前情報がコエテクωフォースから発売するFate無双であるっていうのと、
新作「シリーズ」シナリオで、聖杯戦争がゲームでプレイできるということしか知らなかった

蓋を開けてみたら、アクションRPGだった

序章だけで5時間の超絶ボリュームである

無双とは名ばかりで、RPGのような育成要素やハクスラを要素を詰め込み、
さらに江戸の浅草や上野を練り歩ける龍が如くのような街歩きシステムまであるのだ

吉原の街を歩けるのは龍が如く見参を彷彿とさせる

シナリオも、無双のように戦闘中にイベントが多発して、戦闘中会話のみで進み、
虎牢関とか1戦で全部完結するみたいな、ステージシナリオではないのだ

戦闘終了後に、敵マスターとサーヴァントと、卓を交えて長々と会話する
それはもう、30分以上会話する
戦闘をしている時間の方が遥かに短いシナリオゲームとなっている
(もうちょっと戦闘中会話で進めてもいいと思うが)

そのため、Fateのシリーズ1本として完結まで楽しめる内容となっている

Fateでこの作りはマジで貴重である

ゲームシステムの特徴

バトルは無双だが基本プレイアブルは1人のタッグバトル

基本は無双

主人公宮本伊織は、型を変えながら戦う剣士である
防御の地の型と攻撃二刀流の水の型の2つを最初から覚えている

これに加えて宝石による魔術と英霊呼び出し共鳴技と英霊交代を駆使して戦う
英霊の力は伊織と比ぶべくもなく、圧倒的な攻撃範囲と攻撃力を誇る

基本操作は伊織だが、英霊の外伝では他の英霊も操作可能

敵は固く外殻を破壊しないとダメージを与えられず、
全てスーパーアーマーであり、攻撃後の予後動作時のみ怯む仕組みになっている

そのため、ゴリ押しする場合は、「魔術」「共鳴技」「英霊交代」「伊織の必殺」の4つを回すことになる
それらが尽きている場合は攻撃が弾かれるので、ほとんど逃げゲーと化す

さすがの無双シリーズ敵の数が違う

敵は英霊だけでなく怪異と人間がほとんど

このゲームの敵は7騎のサーヴァントだけではない

というかほとんどの場合、敵はごろつきや剣豪、忍者である

さらに江戸を跋扈する妖怪(怪異)たちと戦うことになる

この怪異と戦うのはイマイチ理解できない
いつの間に陰陽師になったのだろうか?

そういった英霊以外との戦いの要素があるためにサブミッションなどの達成条件になっている

練り歩ける江戸の街

町と町とのつながりはないが、町に入れば自由に探索が可能

ネコや犬と戯れたり、怪異が出現したり、名所を見つけたり、落ちてるアイテムを拾ったり、
時にはセイバーの見聞イベントが発生する

各町にはサブミッションの立札や依頼者がおり、町ごとにやり込み要素が存在している

サブミッションは受注せずとも勝手にクリアされていくため非常にプレイしやすくなっている

無双だけでないボード陣地取りバトル

1章に入ると本格的にボードバトルが始まる

各町には霊脈があり、それを分断して敵を消していく
かち合えば無双バトルモードで戦うことになる

主人公の本拠地である浅草への霊脈が絶たれると一時的な敗北になるが、
戻ってやり直せるのでそこまで難易度は高くない

結構面倒な仕様で、江戸の町は後半になればなるほど広くなるので、ボード戦も複雑化する

クリアすると制圧した霊脈地の数だけ伊織のMAT(魔術力)が上がる

ボードバトルの画面

様々な強化の仕組み

シナリオが進むごとに多種多様な強化の仕組みが解禁されていく

スキルPtを獲得するとスフィア版で能力を強化できる
本当にスフィア版はLvがあるシステムは無意味だからやめろと何度も(ry

自宅には魔術工房を作成できて、パッシブ効果を強化できる
店の売買に役立つ機能もある

ドロップする刀のパーツを付け替えて伊織を強化できる

刀を手入れする謎のミニゲームを行うことで経験値にボーナスが入るようになる

謎すぎる唐突なミニゲーム 龍が如くにあったっけ?

FGOをプレイしている前提で出てくるな

これは悪い点なのだが、

サムレムには7人7騎のサーヴァントの他に8騎のはぐれサーヴァントが登場する
(はぐれに限らないことも記載しておくが)

このはぐれのサーヴァントの大半が、FGOのイベント参戦のノリで出てくる
(宮本武蔵とかジャンヌオルタとかギルガメッシュとか)

やめろ

宮本武蔵に至っては、FGOの過去イベで活躍した水着ラスベガスの話まで持ち出してくる

2019年に開催された水着イベントの話

ホントやめろ

Fateは英霊の過去話をメインに、
その作品シリーズ内で、英霊の生き様や過去の悔恨を掘り下げる作品であり、
聖杯戦争は7人7騎の真剣な殺し合いと奪い合いである

そこにソシャゲのイベントのノリを持ち込むのをやめろ

ZeroやFakeではそんなことしてないでしょ?
ギルガメッシュもギルガメッシュしてたでしょ?

今作の主人公の宮本伊織は宮本武蔵と非常に関連深いキャラクターであるため、
宮本武蔵との絡みは否応なく発生するのだが、

FGOプレイしてFGO武蔵の活躍を見ているユーザー向けに話作るな

宮本武蔵はサムレム初出英霊として取り扱わないと、
せっかくの宮本話も全く話が広がらず、「FGO見てね」で終わってしまうし、
武蔵は何度も聖杯戦争に参加してて熟練です!!って言ってくるんだけど、
呼ばれた英霊は還ると(設定上は)記憶を失うんですよ

※本作の宮本武蔵は、バーサーカーの英霊であり、7騎のサーヴァントの1人であり逸れではない

FGO1.5章で初登場した武蔵は「FGO内では」不動の人気を確立している

「宮本武蔵」という英霊の話をしてくれ、頼む

created by Rinker
コーエーテクモゲームス
¥4,124 (2024/12/11 10:47:08時点 Amazon調べ-詳細)
created by Rinker
コーエーテクモゲームス
¥6,395 (2024/12/11 10:47:03時点 Amazon調べ-詳細)

3ルートクリア後の超絶ネタバレ感想

Fataに何を求めているのか?

非常に面白いゲームであった
聖杯戦争をしっかりと描きながら、アクションや江戸の街歩きも良く出来ていた。

そして、3ルートの全てをクリアした今、言えることは、

シナリオに賛否あり

「テキスト」は素晴らしく、東出さんや桜井光さんが参加しているので、時代小説なみの筆力である
横文字もドロテアと武蔵以外は一切使用しない拘りも一貫しているし、
全てのキャラが立っており、魅せ場が用意されている

で、このゲームの評価は、Fateに何を求めているかで大きく変わるのだろう

聖杯戦争の英霊同士の戦いを見たいのか?

主人公の生き様や英霊の生き様を見たいのか?

結末の大団円、グッドエンドが見たいのか?

私は、ギャルゲーが見たかった

Fata/Stay night はギャルゲー(エロゲー)である、
セイバーや遠坂凛や桜がいたから戦えた
そしてそのヒロインを引き立たせる士郎君が居たから輝いて見えた

原作者の奈須さんが使用するテクニックに「きのこ節」がある
※今作はきのこさんは書いてません

本作を代表する狂人、宮本伊織の台詞に、こういうものがある
「多くを斬るため、多くを俺は理解したい。
江戸の人々を。師匠を。おまえを。誰も彼もを。」

この伊織の台詞は、2周目以降で「余分」を捨てた伊織やそれを察するセイバーの胸中に対する答えであり、
他人を思い寄り添える清廉潔白な人ではないと断言してきた伊織自身の自覚でもある。

非常に鮮烈な台詞であるし、剣鬼を発現する際の台詞として効果的で、鳥肌が立つ

今までの全ての伏線を回収する素晴らしいテキストである

でも、これは、「きのこ節」ではない

リメイク月姫の、遠野志貴にはこんなセリフがある

「―――――――――俺には、無理だ」

この台詞は、強大な力を持った吸血鬼同士が、眼下の大きなクレーター内で死闘を繰り広げており、
戦闘力5の一般人が割って入ったら一瞬で塵と化すような、そんな凄絶な戦いを目にしながら、志貴が放った台詞だ。

で、この台詞の意味は、
「この戦いに割って入ったら、俺は一瞬で死んでしまうから、この戦いには参加できない」
ではない

この台詞の意味は下記である
「戦っているヒロインのアルクェイドを独り戦わせて、男の俺があいつを助けないわけにはいかない。
たとえ一瞬で殺されたとしても、あいつを見捨てることなんて、俺には無理だ」


「アルクェイドは俺が殺すべき、俺の獲物で、俺の女だから、アルクェイドを殺そうとするやつは俺が全員殺す」

これが「きのこ節」である(と私は考えている)

この台詞は、ヒロイン守るためなら自分の命なんて軽く投げ出しちゃうトチ狂った感性の志貴を際立たせているのと、
アルクェイドは守ってあげたいヒロインであるということと、
人間じゃない異形をとにかく殺したくて堪らないという気持ちの発露の、3つの効果を同時に発生させている

そう、つまりは、主人公の台詞が、ヒロイン力を高めるために使われている

士郎も志貴も、とにかくヒロインをヒロインたらしめんとする言動をする

そして、その台詞を受けて、ヒロイン勢は(大抵は自分のが強いので)呆れ顔をし、主人公に過分な申し出だと激怒するが、
最後には感謝を述べ、打ち解け、ヒロインであることに喜びを感じるのだ……

だのに、Samurai Remnantの伊織はセイバーをヒロインとして扱わない

伊織は最初こそ英霊より弱いものの、後半は英霊を凌駕する成長を遂げるし、士郎と違って最初から剣士である
なので、「セイバーは戦うな! ここは俺が戦う!」とでも言って、ヒロイン力を高められたはずだが、
最終的な極論として「人を斬りたいから俺も一緒に戦う」という体で戦っているし、
伊織にはセイバーを守りたいという気持ちが一切ない

そして、最後の最後には「友」としてセイバーを認めてしまった
(だったらダブルヒーロー物として完成させてくれ)

ついでにいうと、セイバーには妻がいる
しかも現界している

で、そのセイバーの可愛い部分も「お腹が空きました」に似通っているが、結構あって、
ワクワクスポットでの好奇心旺盛なシーンや、米や穀物を好いている部分などが挙げられるが、

照れるシーンが皆無

つまり、ギャルゲーヒロインでは全くないのだ

そして、3ルートもあるので、もしかして他のルートでは、由井正雪やドロテアがヒロインかな? と思ったが、
全くそんなことはない

伊織も伊織で、「他人に優しく、理解しようと歩み寄る」のは「斬るため」と一本筋が通っているため、
なんら恋愛感情がない

むしろアサシン甲賀三郎の方が、ドロテアを姫扱いしてた……

由井正雪&ドロテア生存ルートを行った際に「壊さない」を選択すると、
分かりあったはずの由井正雪を一瞬にして裏切ることになるので、トンデモ(気持ち踏みにじり)ルートになるのも、
伊織の心境の変化が加速し過ぎている

全く清涼感のないエンディング

盈月の儀(聖杯戦争)の行く末に見たいものが何なのか? と言われたら、

とりあえずの大団円だろうし、

相方であったセイバーとの気持ちのいい別れではないだろうか?

で、このサムレムのエンディングは3つあるのだが、

① セイバーが宝具ぶっぱして終了⇒伊織家に帰る
② セイバーが宝具ぶっぱして終了⇒由井正雪目を閉じる
③ 伊織とセイバーが戦う⇒カヤが遠方カメラで駆け寄る

マジでこれで終わりである

最後会話があったのは、②でドロテアと鄭成功がちょろっと話しただけで、
伊織とセイバーの別れの会話は無いし、後日譚などもない
妹のカヤの話も一切なく終わるし、
エンディングの会話にも登場しないし、
元の世界に戻ったセイバーがどうのこうのという話もない

①も②も③も、盈月の儀を斬って終わるので、この戦いには何の意味があったのか? 的な終わりである

消化不良である

エンディングが物を言うプレイ時間だったがために、拍子抜けしてしまった

DLCが今後4本出る予定になっているが、そこで補完されたりはしないだろう

むしろ、サムレム+とか出さないとどうにもできない

伊織の性格があれなので、4ルート目作って大団円は絶対にできないというのが苦しい

大体全部武蔵が悪い

女宮本武蔵、FGOでの人気や立ち位置は全く知らないで言うと、
非常に好感度が低いキャラクターとして描かれていたと感じる

バーサーカー所以なのか、FGO事情なのかは知らないが、遊びで盈月の儀をしている

さらに、宮本伊織の父であり、伊織の師であり、伊織を剣鬼に目覚めさせた張本人であり、
そのことを察しているのにも関わらず、伊織を矯正しなかった

そして最後には伊織に討たれる始末

せめて自分の手で始末を付けてけよ!!!

おかげでセイバーが後始末することになった

伊織は伊織で、師を超えることが目標ではなく、その先の剣を極めることのみに目が眩んでいるし、
武蔵の使い方として、伊織の始末を付けるのにうってつけだったのに、ゲスト気分でおさらばした

むしろギャルゲーとして、エロ方面で伊織を目覚めさせて、剣より愛という流れが良かったんでは?

武蔵仕事しろ

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

シェアボタンだよ
目次